SASの略称で有名なスカンジナビアの航空会社「スカンジナビア航空」が加盟するアライアンスを2024年9月1日にスターアライアンスからスカイチームに変更すると発表しました。スカイチームの主要メンバーであるエールフランスKLMの出資を受ける事が理由の様です。
スカンジナビア航空
スカンジナビア航空は、スカンジナビア半島のある、ノルウェー、スウェーデン、デンマークの3国で設立された航空会社です。本社はスウェーデンの首都ストックホルムに置かれています。スカンジナビア地域内で飛行機に乗る際は、ほぼ確実にお世話になる航空会社です。SASと略称されます。
アライアンス
現状、フルサービスキャリアのアライアンスは、世界に3つ存在しています。世界で最初に設立されたスターアライアンス、次に元国営航空の加盟航空会社が多いワンワールド・アライアンス、最後に価格重視の加盟航空会社が多いスカイチーム。アライアンスの特徴は、加盟各社を利用することでマイレージを相互に貯める事ができ、頻繁に搭乗する上級会員に対して、共通の優待制度を設けている点です。マイレージの加算に関して言えば、相互提携やコードシェアなどでアライアンスに関係なく加算できることがよくありますが、上級会員の優待制度は共通化されていない事が殆どです。アライアンスを利用することによって、この部分は共通サービスとして保障されます。
加盟航空会社は各社の事情により入れ替わることが多く、特にコロナ禍においては、破綻などにより脱退する航空会社もありました。アライアンスの乗り換えは頻繁ではないですが、過去にも稀に起こっています。英国にかつて存在していたbmiブリティッシュミッドランド航空がブリティッシュエアウェイズに吸収合併された際は、スターアライアンスからワンワールドに変更になったほか、USエアウェイズがアメリカン航空に吸収された際は、スターアライアンスからワンワールドに、コンチネンタル航空がユナイテッド航空と合併した際は、スカイチームからスターアライアンスに変更されました。
スターアライアンス
SASがもともと加盟していたスターアライアンスは、世界で初めて設立された航空アライアンスです。加盟航空会社数も多く、世界中にネットワークがあるのが特徴です。専用ターミナルを設けた空港や、共有ラウンジなど、アライアンス内でのサービスの共通化が数多く図られているのが特徴です。
スカイチーム
乗り換え先のアライアンスであるスカイチームは、主に価格重視の航空会社が数多く加盟しているアライアンスです。フルサービスキャリアでありながら機内提供のアルコール飲料を世界で初めて有料化させたデルタ航空をはじめ、格安ツアーや格安チケットでよく登場するチャイナエアラインや大韓航空が加盟しています。上級会員の特典サービスも共通化されておらず、エコノミー搭乗の場合はラウンジアクセスができないフライトも存在しています。お値段なりのサービスと考えたほうが良さそうです。
切り替えタイミングは8月末
SASのマイレージプログラムであるユーロボーナスは、2024年8月31日まではスターアライアンスのプログラムとして、マイレージ加算および特典航空券への交換が可能です。そして、2024年9月1日からは、スカイチームに切り替えとなり、スターアライアンス航空会社でのマイレージ加算、および特典航空券の発券が出来なくなります。
マイレージ加算は「搭乗日ベース」となるため、往復航空券や乗り継ぎであっても、切り替え日をまたぐ場合、搭乗日で加算可能なアライアンスが変わります。なお、SASはスカンジナビア圏で唯一のフルサービスキャリアであるため、加算先のプログラムによっては、スターアライアンス脱退後もコードシェアや相互提携を継続するケースも考えられ、その場合は、継続してマイレージ加算が可能な場合もあります。
特典航空券に関しては「発券日ベース」となるため、スターアライアンス各社のマイレージプログラムからSASフライトの発券、またはその逆のユーロボーナスからスターアライアンス各社のチケットを発券する場合は、切り替え前に発券完了していれば、アライアンス切り替え後のフライトでも利用できると考えられます。但し、bmiの切り替え時の様に、システム切替の関係で、オンラインでは発券出来ないケースも考えられます。